八色石、龍岩橋から旧道を500mばかり行くと、右側の桧林の中に鳥居があり、そこから石段を訳400段登ると、八束臣津命をまつる龍岩神社があります。
龍岩神社から前方を眺めると、はるかに続く中国山地の峰々、右側に高くそびえる畑ケ迫の雄大さ、眼下には八色石集落を一望に収めることができ、本当に素晴らしい眺望です。
この神社の裏には龍の頭といわれる巨石があり、しかもその岩には八つの色があるというので、昔から地名を八色石、社を龍岩神社と言われています。
この神社の由来は、神代の昔出雲の須佐之男命の末孫八束水臣津命がこの地に降りると、そこに一人の姫が現れて、「この国に八色の魔石がある、青々と茂った山たちまちに枯れ山となし、満々と流れる川をたちまち乾川となし、民を苦しめる。」と告げました。命はそれを聞き、その魔石を退治して、民の悩みを救おうと姫に案内させ、そこに着くと石をめがけて一刀のもとに切り付けました。するとその石は二つに割れて一つは龍の頭となり、もう一つは龍の尾となって遠く美濃郡の角石となりました。命は残った巨石を見て、「この国に奇異の石見つるかな」と述べられたといいます。それ以来、この地には災いがなくなったといいます。これが龍岩神社の起こりであるとともに、石見の国名もこれから起こったといわれています。火災除け、牛馬の病除けにご利益があるといわれています。現在の社は大正十年大工藤田寅一郎氏によって建築されたものです。例祭は、毎年4月3日とされています。